ライアン米下院議長、引退を表明 中間選挙で再選目指さず
ワシントン(CNN) 米共和党のライアン下院議長は11日、今秋の中間選挙で再選を目指さず、年明けに議員を引退する意向を表明した。「自分の仕事はやり遂げたと思う」としている。
ライアン氏は記者団に、下院議長の職務について「大きな仕事であり、多くのものが肩にかかってくる。ただ、永遠に続く仕事ではない」と説明。2015年にベイナー前下院議長から職務を引き継いだ際は「気が乗らなかった」としつつも、後悔はしていないと述べた。
ライアン氏の引退は共和党にとって打撃だ。トランプ大統領の激動の政権運営に揺れる共和党内にあって、ライアン氏は安定した政策通の指導者とみられていた。中間選挙に向けた資金集めでもライアン氏が大きな役割を果たしている。
ライアン氏は自身の主要な功績として、昨年通過した税制改革法に言及。また地元ウィスコンシン州に戻り、家族と過ごしたい考えも明らかにした。引退表明を決断するにあたり、中間選挙のことや下院議長に再任されない可能性は全く考慮しなかったとしている。
ライアン氏の引退表明を受け、中間選挙を前に指導部ポストをめぐる競争が数カ月にわたり続く見通しとなった。ただ、ライアン氏はこれが雑音になるとの可能性は否定している。
トランプ氏はツイッターでライアン氏を称賛。「ライアン下院議長は本当に素晴らしい男だ。再選は目指さないものの、誰も疑いを挟むことができない功績を残すことになる」と述べた。トランプ氏はライアン氏ら共和党議員と対立したこともある。