キラウエア火山の溶岩流が海に到達、有毒ガスに警戒 ハワイ
(CNN) キラウエア火山の噴火が続くハワイ島で、溶岩流が太平洋岸に到達した。ハワイ火山観測所(HVO)は、溶岩と海水が反応して発生する有害ガスなどへの注意を強く呼び掛けている。
キラウエア火山の溶岩流は19日深夜、海岸沿いの幹線道路を横切って海へ流れ込んだ。溶岩と海水が接触する場所からは塩酸ガスや火山ガラスの粒子を含んだガスが立ち上り、肺や目、皮膚への刺激を引き起こす。
HVOによると、2000年には流れ出して間もない溶岩が海水にさらされてガスが発生し、近くにいた2人が死亡した例もあるという。
米沿岸警備隊は今回の事態を受け、溶岩が海に流れ込んでいる地点から約300メートルの圏内を警戒海域に指定した。
HVOはさらに、火山から噴き出す二酸化硫黄ガスが3倍に増えていることも明らかにした。
キラウエア火山では週末の間に少なくとも2回の爆発が起き、噴煙の高さは一時、約3000メートルに及んだ。5月3日に噴火が始まってから、ハワイ島やその周辺では約2250回の地震が観測されている。
これまでに少なくとも40棟の建物が破壊された。二十数カ所に及ぶ亀裂からの噴火で危険はさらに拡大している。溶岩流は当初より粘性が下がったために流れが速くなっているとされ、近隣の地域には絶え間ないごう音が響き渡っている。