米ごみ廃棄場、放射性汚染物資を除去へ 環境当局が事業計画
(CNN) 米環境保護局(EPA)は30日までに、米ミズーリ州ブリッジトンにある廃棄ごみなどの埋め立て場所で放射性汚染物質の除去を進める事業計画を発表した。
現場には米国が第2次世界大戦中に進めた核兵器開発の「マンハッタン計画」に伴って処理されたウラン鉱石に汚染された土壌が投棄されている。地元住民は鼻血、頭痛や発疹などの症状を訴えて放射性物質との関連性を疑い、除去作業を長年求めていた。
EPA幹部は記者会見で、ミズーリ州住民に約束していた現場の浄化計画を届けることが出来たと誇示した。
工事には3年要すると推定。必要経費は米エネルギー省と民間企業2社が負担し、EPAが工事を監督する。2社は1973年に放射性物質を投棄した企業や廃棄場所の所有企業となっている。
この埋め立て地は同州セントルイス市の中心部から北西へ約32キロ離れ、ミズーリ川からは東へ約2.4キロの地点にある。広さは約0.8平方キロ。
1950年代から廃棄場所として使われ、73年に放射性物質8700トンが交じった3万9000トンの土が投棄されて放射性汚染が発生したという。
清浄計画によると、最大で深さ約6メートルまで掘り、放射性物質をトラックや鉄道で認可された処理施設まで運ぶ。地元のCNN系列局「KTVI」によると、6メートルより深い場所にある物質は人間に危険ではないためそのまま放置するとEPA当局者は説明している。
EPAによると、希ガスの1種「ラドン」の放出を抑え、地下水を守るため現場にはカバーをかぶせる方針。同局が長期にわたってこのカバーの維持管理に当たり、少なくとも5年ごとに浄化事業を見直し、空気や地表の水や地下水の調査を進めるとした。