「銃乱射事件の被告は死に値するか」 高校の宿題、非難受け撤回
(CNN) 米フロリダ州パークランドの高校で17人の死者を出した銃乱射事件に関連して、現場近くにある別の高校が、被告の実名を出して「ニコラス・クルーズは死に値するか」を生徒に考えさせる宿題を出し、批判を受けて撤回に追い込まれた。
問題の宿題を出したのは、銃乱射事件の現場から車で10分ほどの距離にあるコーラルグレーズ高校。高校生向けの雑誌「ニューヨーク・タイムズ・アップフロント」の10月号に掲載された記事の見出しをそのまま引用し、教材として利用した。この問いかけは、残酷で異常な刑罰を禁じた米修正憲法第8条と、死刑制度について考えさせる内容だった。
今年2月にパークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で起きた銃乱射事件では、生徒や教員17人が死亡した。クルーズ被告は関与を認め、殺人罪などで起訴されている。
同校の生徒で銃規制強化を求める運動を展開しているキャメロン・カスキーさんは、クルーズ被告を宿題の題材にしたコーラルグレーズ高校を強く非難した。
同校のあるブロウォード郡公立学校区によると、コーラルグレーズ高校の上層部はこの宿題のことを知らなかったと思われる。同校は宿題を撤回し、こうした事態が起きたことに遺憾を表明、出版社にも懸念を伝えた。
ニューヨーク・タイムズ・アップフロント誌を発行したスカラスティック社は、問題の記事の狙いについて「死刑にまつわる歴史と公民権、社会的影響について、意味のある会話の題材にしてもらいたかった」と説明し、「パークランドの生徒や家族、教育者を一層苦しめてしまったとすれば、大変遺憾に思う」と謝罪した。