米国防長官代行に就任するシャナハン氏、外交も軍事も経験なし

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暫定的ながらペンタゴンのかじ取りを担うパトリック・シャナハン氏。その経歴は/Monica King/Digital/U.S. Army photo

暫定的ながらペンタゴンのかじ取りを担うパトリック・シャナハン氏。その経歴は/Monica King/Digital/U.S. Army photo

ワシントン(CNN) 米国のマティス国防長官の退任が来年1月1日に前倒しとなり、その後はパトリック・シャナハン国防副長官が長官代行に就くことが決定した。米政府内で最も大規模かつ複雑な組織とされる国防総省のかじ取りを任されるシャナハン氏だが、本人に軍事や外交に携わった経験は皆無だ。

シャナハン氏を国防総省のトップに据えるのは、トランプ大統領が次期長官の候補を指名するまでの暫定的な措置。ただその間シャナハン氏は、トランプ大統領の命じたシリアからの米軍撤収の実施について責任を持つ立場となる。撤収命令はアフガニスタンに駐留する部隊に関しても出されている。

国防当局者の1人が24日にCNNに明らかにしたところによれば、シャナハン氏はホリデーシーズンの旅行を切り上げて、ワシントンに戻ってくる予定だという。

米航空宇宙大手ボーイングに30年以上勤務した経歴を持つシャナハン氏は、昨年国防副長官に就任した。その後は省内の改革や予算の問題、「宇宙軍」の構想を担当し、国際情勢や対テロ活動に携わることはなかった。

ある政府高官はシャナハン氏について、本質的に「省内の業務を回す」のが仕事だったと説明。一方のマティス長官は、軍や同盟国に関わる政策に注力していた。この高官によると、シャナハン氏ほど「国防総省内部の仕組みに精通している人物はおそらくいない」という。

シャナハン氏の副長官への指名は、昨年上院で92対7で承認された。今年8月に死去したマケイン上院議員は当時、外交政策に関する質問へのシャナハン氏の回答内容や有力な防衛請負業者でもあるボーイングの元幹部という経歴に言及し、同氏の指名承認について懸念を表明していた。

米国で軍隊経験のない人物が国防長官に就任した例は過去にもある。直近ではオバマ前政権でのカーター国防長官がこれに該当する。

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