米海軍艦船でウイルス感染、寄港出来ず海上で2カ月余の隔離
(CNN) 米海軍の水陸用艦船「フォート・マクヘンリー」の艦内でおたふく風邪に似たウイルス感染が発生し、海上で2カ月余にわたる事実上の隔離措置を強いられ、寄港を控えていたことが14日までにわかった。
米軍当局者によると、乗船していた乗組員や海兵隊兵士計25人が耳下腺炎と診断された。米軍はCNNが問い合わせるまで、今回の事態を伏せていた。
最初の発症は昨年12月22日で、直近では今月9日に発生。中東バーレーンに本拠がある米海軍第5艦隊はCNNに示した声明で、患者に命の別状はなく、既に全快したかその方向にあると述べた。症状を訴えた25人のうち24人は任務に復帰したという。
同艦に乗る703人全員がはしか、おたふく風邪や風疹のワクチン接種を受けた。
フォート・マクヘンリーは現在、ペルシャ湾海域で作戦遂行中で、軍の医療当局者が寄港が医学的に可能となる時期を見極めているという。米軍当局者はCNNの取材に、大規模な疾病が艦上で発生すれば最後の発症が判明してから30日間は寄港を中止する可能性があると指摘した。
フォート・マクヘンリーは今年1月初旬、黒海に配備された際、ルーマニアに寄港。この後、地中海経由で中東に戻っていた。同艦には海兵隊の第22海兵遠征部隊などが乗り込んでいる。
発症者が確認された後、隔離措置が取られ、艦内の医務室で手当てを受けた。居住区や勤務場所でも消毒処置が施されたという。船外の医療機関に搬送された患者はいなかったとしている。ただ、病気の予防対策を専門にする米軍の医療班が近日中に派遣され、さらなる措置が必要かどうかを調べるとしている。