トランプ大統領の事業、10年間で1286億円の損失 米紙報道
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領の手掛ける事業が1985年から94年にかけ、総額11億7000万ドル(現在のレートで約1286億円)の損失を計上していたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズが7日に報じた。
同紙が入手した納税記録によると、トランプ氏は当該の10年間、米国内の個人納税者のほぼ全員を上回る額の金銭を失っていたとみられる。同氏は2016年の大統領選に臨むにあたり、独力で巨万の富を築いたと自ら強調し、その経済的成功をアピールしていた。
1990年と91年、トランプ氏の中核事業はそれぞれ2億5000万ドルを超える損失を計上した。これは当時の納税者が被った最も近い損失額の2倍を上回る規模だとされる。
タイムズ紙によれば、トランプ氏はあまりに巨額な損失のため、上記の10年のうち8年で所得税の支払いを免れたという。
タイムズ紙は実際にトランプ氏の納税申告書を入手したわけではないが、申告内容を合法的に入手可能な人物を通じて情報を得たとしている。それらの情報を複数の公的文書や過去に自社で入手した記録などと照合したうえで、今回の損失額を割り出したという。
CNNはタイムズ紙の報道についてホワイトハウスにコメントを求めたが、回答は得られていない。
一方トランプ氏の弁護士は7日、タイムズ紙に対し、同紙が参照したとする米内国歳入庁(IRS)の記録に言及。「内容が不正確なことで知られており、電子化の導入以前は特にそうだ」「いかなる納税者の申告書であれ、筋の通った実態を示すものにはなり得ない」と主張した。