潜水艇で7トンの麻薬運ぶ、米沿岸警備隊員が飛び乗り摘発
(CNN) 米沿岸警備隊は13日までに、太平洋東部の海域で先月18日に実施し、1万7000ポンド(約7711キロ)以上の大量のコカインを押収した麻薬密輸組織の潜水艇を急襲した際の緊迫感あふれるビデオ映像を公開した。
航空機からの探知情報を受け小型ボート2隻を出動させた作戦では、潜水艇の中にいた容疑者5人も拘束し、刑事立件のため米麻薬取締局(DEA)に身柄を引き渡した。
映像には、船体の下部が海面下に隠れ、上部が海面上に浮かぶ形で公海上を高速で進む潜水艇に複数の警備隊隊員が飛び乗り、昇降口を激しくたたく姿などが映っている。
潜水艇に向かって停船を命じる叫び声も聞かれ、最後には昇降口がこじ開けられ、密輸実行犯が姿を現す場面もあった。
過去4年間、中南米の麻薬密輸組織がこの種の潜水艇を悪用する手口が増えていた。ただ、沿岸警備隊の幹部によると、潜水艇の数は比較的少ないとされる。建造費が高く、知られないよう密林奥深くで製造するなどの要因が絡んでいる。
しかし、実際に密輸に使われた場合、事前の諜報(ちょうほう)や航空機の監視任務などがなければ摘発するのはほとんど不可能だという。船体が青色に塗られ、大抵の場合、海中を進んでいるため発見が困難とした。
見つかった場合、証拠物品も数分で消せる性能も持ち、乗り込んでいる密輸実行犯は武装しているとも付け加えた。
同幹部は、太平洋東部海域で沿岸警備隊が摘発している今回のような潜水艇は全体の11%とも推定している。