米国内での感染拡大は時間の問題、CDCが国民に備え呼びかけ
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は25日、新型コロナウイルス(COVID―19)の感染が米国でも拡大するのは時間の問題だとの認識を示した。
CDC国立予防接種・呼吸器疾患センター(NCIRD)のナンシー・メッソニエ所長は、米国内の地域社会で感染が広がるコミュニティ感染について、「起こるかどうかの問題ではなく、いつそれが起こり、この国で重症者が何人出るかの問題になった」と語った。
CDCは同日、ツイッターを通じて「米国の企業、病院、地域社会がCOVID―19感染拡大の可能性に備えるべき時が来た」と呼び掛けた。
メッソニエ所長は、国民の生活に影響が出る可能性もあると述べ、「事態が悪化することを見越して我々に協力してほしい」と要請。過去1週間のデータや他国での感染状況から判断すると、コミュニティ感染に対する警戒レベルは確実に高まったと指摘した。
米国で25日までに確認された症例は、クルーズ船の乗船者だった患者が4人増えて、計57人になった。
内訳は、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客が40人、中国・武漢市からの帰国者が3人、米国内での感染者が14人。
メッソニエ所長は、人から人への感染が確認されていることと、死者が出ていることで、パンデミックを宣言する3条件のうち2つがそろったと指摘。「コミュニティ感染が確認される国が増え続ける中で、世界は新型ウイルスの世界的な感染拡大という3つ目の条件を満たす状況に近づいている」との認識を示した。
世界で確認された感染者は中国を中心に8万人を超え、死者は少なくとも2700人に上っている。