新型コロナ対応で派遣、米海軍の「病院船」とは 元は石油タンカー
(CNN) 新型コロナウイルスの感染が拡大する米国で、海軍の病院船2隻がカリフォルニア州とニューヨーク市に派遣された。患者の治療に忙殺される病院の負担軽減につながりそうだ。
2隻の病院船のうち「マーシー」は27日午前、カリフォルニア州ロサンゼルスに到着。「コンフォート」は数日中にニューヨークに到着する。
2隻は到着後、コロナウイルス関連以外の治療を受ける陸上の患者の移転に使われる見通し。
海軍によると、2隻はそれぞれ完全装備の手術室12室、病床1000床、放射線科の施設、医学研究室、薬局、検眼施設、CATスキャン(コンピューター体軸断層撮影法)装置、酸素生産工場2棟を備える。
通常、マーシーはカリフォルニア州サンディエゴ、コンフォートはバージニア州ノーフォークに停泊している。
いずれも浮遊式の病院として完全な装備を備えるが、最初から医療目的に利用されていたわけではない。
海軍によると、両船は実は、原油や石油製品の大量輸送を担っていたスーパータンカーを1980年代に改修したものだ。
思いやりの美徳を表す「マーシー」の名を持つ艦船はこれが3隻目。石油タンカー時代は「SSワース」と名付けられていた。1984年に改称して病院船に改修され、以降は人道支援や災害救援を行ってきた。