米国の死者、10万人を超す可能性も 米国立感染症研究所長
ワシントン(CNN) 米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は29日、新型コロナウイルスによる米国内の死者は、最終的に10万人を超える可能性があるとの見通しを示した。米国では既に2000人以上が死亡している。
ファウチ所長はCNNの番組の中で、こうした感染症の予測モデルは最悪の筋書きと最善の筋書きを示すもので、現実には大抵が中間地点の前後にとどまり、最悪の事態に陥ったケースは見たことがないと前置きした上で、「現状から判断すると、(死者は)10万~20万人の間になるだろう」と述べ、症例数は数百万に達するとの見通しを明らかにした。
米国では新型コロナウイルスによる死者の数が2日間で2倍に増えて2000人を超えた。28日午前までに確認された症例数は12万1000例を超え、世界で最も多くなった。
ファウチ所長などの専門家は事態の一層の悪化を予想しており、ニューヨークをはじめとする全土の病院では供給品の不足が深刻化している。
患者数が増え続ける中で、2週間以内にベッド数が足りなくなる病院が全土で相次ぐ見通し。ニューヨーク市のデブラシオ市長は29日、「人工呼吸器以外の供給品は今日から1週間分はある。ただし人工呼吸器だけは、少なくとも数百個をすぐにも必要としている」と訴えた。