86歳女性、院内で別の患者に突き飛ばされ死亡 ディスタンシング違反
(CNN) 新型コロナウイルスの混乱が続く米ニューヨーク市内の病院の緊急救命室(ER)で、バランスを崩して別の患者の点滴スタンドにつかまった86歳の女性が、この患者に突き飛ばされ、頭を打って死亡した。
ニューヨーク市警は、86歳の女性患者を突き飛ばして死亡させた疑いで、32歳の女性患者を逮捕したと発表した。
死亡したのはニューヨーク市ブルックリン区の病院に入院していたジャニー・マーシャルさん(86)。3月28日に緊急救命室内でバランスを崩し、カサンドラ・ランディ容疑者(32)の点滴スタンドにつかまった。これは他人との間に1.8メートルの距離を置くよう定めたソーシャル・ディスタンシングの規定に違反していた。
家族によると、マーシャルさんは認知症を患っていたという。
ランディ容疑者は過失致死や傷害の容疑で4月2日に逮捕された。
病院は警察の捜査に協力していると述べ、プライバシー保護法を理由に詳細を明らかにしていない。
親族によると、マーシャルさんは3月27日に腸閉塞(ちょうへいそく)による腹痛を訴えて緊急救命室に入院した。死亡した経緯について病院から詳しい説明はなく、争いに関する詳細はニュース報道で知ったという。
マーシャルさんには認知症の症状があったため、周囲の状況が理解できず、緊急救命室の混乱の中でランディ容疑者にぶつかってしまったのではないかと親族は推測している。