トランプ米大統領、人種問題で週内にも国民向け演説か
(CNN) 黒人男性死亡事件をきっかけに広がった抗議デモが全米各地で続くなか、トランプ氏が週明け以降、この問題をめぐって国民向けに演説するとの見通しが明らかになった。
カーソン住宅都市開発長官が7日、CNNのインタビュー番組で演説の予定を示唆し、別の政権高官も前向きに検討が進められていることを認めた。
カーソン氏はインタビューで、トランプ氏は8日からの週に事件やデモについて詳しく語ることになるとの見方を示し、「皆さんの判断はそれまで保留してもらえれば」と語った。
ホワイトハウスに近い情報筋がCNNに語ったところによると、政権内部ではこの週末の展開を受け、事態がトランプ氏に有利な方向に転じたとの見方が強まっている。
理由の一つは、暴力的だったデモが鎮静化し、週末はほぼ平和的に実施されたことだ。同情報筋によると、側近らはこれをトランプ氏がデモの「威圧」を求めた結果と位置付け、「法と秩序」のスローガンを前面に打ち出すことができるとみている。
さらにもう一つ、デモ隊が警察予算の大幅削減を主張し始めたことも、トランプ氏への追い風ととらえられている。
同情報筋によれば、この主張を野党・民主党や同党の大統領候補指名が確定したバイデン前副大統領と結び付け、バイデン氏らが暴力行為や過激な主張を容認しているとの印象を与えることで支持層を奪い取るのが、トランプ陣営の狙いだという。