マスクめぐる争いで客を射殺、警備員を殺人容疑で訴追 米
(CNN) 米カリフォルニア州ロサンゼルス郡の検察は10日までに、マスクを着けずにスーパーに入店した客と争いになり、この客を射殺したとして、店の警備員を殺人容疑で訴追した。
検察によると、ウメイル・コーニッシュ・ホーキンス容疑者は5日、ジェリー・ルイスさん(50)を銃で撃った疑い。
口論のきっかけは、ルイスさんが顔を覆うマスクを着けずに入店したことだった。ルイスさんはいったん店を出たが、戻ってきたところで再びホーキンス容疑者と争いになり、立ち去る際に射殺されたという。
カリフォルニア州の知事は先月、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、屋内の大半の場所に入る際にマスク着用を義務付ける命令を発出していた。米国では各地でマスクが議論の火種になっており、着用を拒否する人が一定数いる一方で、マスクで命を救える可能性があるとして着用を訴える声も出ている。
マスク着用を義務付ける措置が発効する例が増えるなか、店の従業員がこうした規則の実施を担い、顧客から反発を受ける場面も多い。
ミシガン州では5月、警備員が州のマスク着用命令を守るよう顧客に求めたところ、射殺される事件が発生。カリフォルニア州のスーパーでも、警備員が着用を拒む客と争いになり、腕を骨折するけがを負った。
ホーキンス容疑者には殺人容疑に加え、重罪歴のある者による銃所持の疑いもかけられている。妻も重罪歴のある者による銃所持の容疑で訴追された。この夫婦は2013年、暴行事件で有罪判決を受けていた。
両容疑者は8日、無罪を主張した。有罪になった場合、ホーキンス容疑者は50年、妻は3年以下の禁錮を言い渡される可能性がある。