マスク拒否の議員感染、全員に着用義務づけ 米下院議長
ワシントン(CNN) 米連邦下院議会のペロシ議長(民主党)は29日、全ての議員とスタッフが議場などに出入りする際、新型コロナウイルス対策としてマスクの着用を義務づけると発表した。
マスク装着を一貫して拒んできたゴーマート下院議員(共和党)の陽性反応の判明を受けた措置ともなっている。同議員は下院議場での採決などの際、一定の対人距離を空ける予防策も講じず、スタッフや他の同僚議員に話し掛ける姿が目撃されてもいた。
ペロシ議長は議長権限として議会の衛視部局に議員らがマスクを使用していない場合、退場を言い渡すことを命じることが出来ると主張。ただ、議員らの発言の機会や食事、飲み物をとる時は対象外とした。
議長の意向を受け衛視部局は下院関連の全ての建物内で顔面への被り物の着用を求める追加の内規を出し、米東部時間の30日午前8時から適用されるとした。
下院議員はこれまで委員会絡みの会合などではマスク着用を求められていたが、順守しない一部の議員も見られた。米上院ではマスク着用に関する指針などは一切ない。
ゴーマート議員の感染判明後、下院内では議場内での感染対策に対する懸念や疑問が強まってもいた。ただ、議場内ではペロシ議長の方針発表前の29日午前の段階で、マスクを着けない共和党議員が一部目撃された。
このうちの1人である議員はCNNの取材に先月、マスクの利用は「神の子としての人間性を失わせる行為の1つ」とも主張していた。