11月の米大統領選、トランプ大統領が延期に言及
(CNN) 米国のトランプ大統領は30日、ツイッターへの投稿で、11月に迫った大統領選挙の延期に言及した。対立候補となる民主党のバイデン前副大統領に2けた台の差を付けられる中、トランプ氏が投票を回避しようとするのではないかとの懸念が一層強まっている。
トランプ氏に大統領選挙を延期する権限はなく、米国憲法では選挙日程は議会の権限で決定すると定めている。与野党双方の有力議員はほぼ即座に、大統領選挙を延期する可能性はないと言明した。
トランプ大統領は、選挙が96日後に迫った30日午前、根拠なく欠陥があると主張している郵便投票を理由に、「2020年は史上最も不正確で不正に満ちた選挙になる。そうなれば米国は大恥をかく」「国民が適切に、安心して安全に投票できるようになるまで選挙を延期するか???」とツイートした。
この日午後の記者会見で説明を求められた大統領は、当初、郵便投票が増えれば開票に何日も何週間もかかる可能性があることから、そうした形で開票作業が長引く事態を避けたいとする説明に努めた。
しかしその後、「国民が今、目の当たりにしているのは、そうした選挙が不正に満ちたものになるという事実についてのストーリーだ」「多くの人が、恐らくそうなると言っている」と述べ、大統領選挙の開票結果に対する不信感を国民に植え付けたい狙いをにじませた。
郵便投票が不正に結びつくという根拠はない。米国の選挙は戦争中も恐慌の中でも延期されることはなかった。1845年以来、総選挙は11月の第1月曜日翌日の火曜日と決まっている。
トランプ氏の選挙陣営は同日、「大統領はただ、民主党が全てを郵便投票にするという主張で生じさせた混乱について疑問を投げかけたにすぎない」とツイートした。