トランプ大統領が戦死者「侮辱」の報道 トランプ氏は否定
(CNN) トランプ米大統領が2018年、第1次世界大戦の終戦100周年記念式典に合わせてフランスを訪問した際に米軍墓地への訪問を中止し、戦死者らを「負け犬」などと侮辱したと、米誌アトランティックが報じた。米政権の元高官はCNNに、報道内容はほぼ事実だと語った。
トランプ氏は訪問中、パリから約80キロ離れた米海兵隊員の墓地で式典に出る予定だったが、当日は大雨と濃霧でヘリコプターが飛べなかった。車で現地へ向かう案も、ホワイトハウスが警備の難しさを理由に却下したとされる。
しかし米誌アトランティックは3日、複数の情報筋の話として、トランプ氏が墓地訪問を嫌がり、戦死者らを「負け犬」「間抜け」呼ばわりしたと報じた。元高官は5日までに、匿名でこれを確認した。
同誌によれば、トランプ氏は大雨で髪が乱れるのを気にして訪問を拒否したという。
これに対してトランプ氏は3日、軍の予算拡大などに誰よりも尽力してきた自分が、そんな発言をしたと思われるのは「不名誉」なことだと強く反発。同誌のような「ひどい雑誌」は読まないと、怒りをあらわにした。
また、自分は墓地に行くつもりだったのにシークレットサービスに止められたと主張。翌日も大雨だったが行事には参加したと強調した。
さらに、米国で待つメラニア夫人に電話をかけ、「式典のためにここまで来たというのに心苦しい」と訴えたとも語った。だが実際には、メラニア夫人はこの時、訪仏に同行していた。
野党・民主党の大統領候補、バイデン前副大統領は4日の声明で、報道が事実だとすれば「米大統領の役割について、トランプ氏と私の考えにどれほど大きな差があるかを示す例がまたひとつ増えた」と述べた。