トランプ氏、軍上層部を異例の批判 「戦争したがっている」
(CNN) 米国のトランプ大統領は7日、米軍の上層部を公然と批判する異例の行動に出た。その中で、軍トップが戦争を遂行するのは防衛分野に属する製造業各社の利益を上げることが目的だと主張した。
ホワイトハウスで記者会見したトランプ氏は、「私は軍にあまり好かれているとは言えない。兵士らはともかく、ペンタゴンのトップたちはおそらく私のことが気に入らないだろう。彼らは戦争をしたくて仕方がないからだ。戦争を起こせば爆弾や航空機、その他もろもろの兵器を作る素晴らしい企業を喜ばせることができる」と語った。
トランプ氏の異例のコメントに先駆け、複数の国防当局者がCNNに対し、同氏とペンタゴン上層部との関係悪化に拍車がかかっていると明かしていた。
トランプ氏はまた、第1次世界大戦の戦死者らを「負け犬」などと侮辱したとする報道について否定するコメントも出していた。
CNNのアナリストで、米海軍の元将校でもあるジョン・カービー氏は7日のトランプ氏の発言について「軍上層部のみならず、彼らが率いる部下たちの職務をもおとしめている。軽蔑的で無思慮そのもの。本人は否定したがっているが、そうした気質をまさに証明したと言える」と批判した。
トランプ氏の当該の発言に関してペンタゴンにコメントを求めたが、返答はない。
トランプ氏が軍の元高官らを公然とけなすことはこれまでにもあったが、自身の命令を遂行させるために自ら任命した現上層部を標的にしたという点で、今回の言動は新たな次元に突入したと言える。
一方でトランプ氏は、国防予算の拡大を政権の主要な実績のひとつとしてたびたび誇示してもいる。こうした支出は軍の助けとなるだけでなく、国防関連の請負業者にも利益をもたらしている。