脳をむしばむアメーバ、水道水から検出 米テキサス州
(CNN) 米テキサス州南東部の水道水から脳をむしばむアメーバ「ネグレリア・フォーレリ」が見つかり、環境当局が州内8都市の住民に対して水道の使用を控えるよう勧告する事態となった。
ネグレリア・フォーレリは25日夕に検出された。州環境品質委員会は勧告の中で、「州知事室の指示の下、地元水道局と協力して一刻も早い問題解決に取り組んでいる」としている。
米疾病対策センター(CDC)によると、脳をむしばむアメーバは通常、土壌や水温の高い湖、河川、温泉の中に見つかる。管理が不十分もしくは塩素消毒されていないプールや、工場の温排水で見つかることもある。
テキサス州では今回、レークジャクソンやフリーポート、アングルトンなど8都市の住民に加え、フリーポートの化学工場と州矯正施設にも水道使用禁止の勧告が出された。
その後レークジャクソンを除く都市では勧告が解除された。
レークジャクソンは災害宣言を発令、水道局が対策を完了するまで水道使用禁止勧告を守るよう住民に促した。その後同市への勧告は煮沸した水道水に限って使用を認める内容に切り替わり、当局は消毒作業を進めている。
事態の発端は今月8日、ネグレリア・フォーレリに感染した6歳の男児が病院に搬送されたとの報告が同市に入ったことだった。調査の結果、男児は市民センター前にある水遊び施設か、自宅のホースから出た水を通じて感染したことが判明した。男児は感染が原因で死亡した。
州保健当局が水遊び施設のサンプルを収集して調査したところ、25日になり、11のサンプルのうち3つで陽性の結果が出た。
CDCによると、ネグレリア・フォーレリの感染はまれだが、大半のケースで死に至る。1962年から2018年にかけて145人が感染し、命が助かったのは4人だけだった。