トランプ米大統領、エスパー国防長官を解任
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は9日、マーク・エスパー国防長官を解任したとツイッターで発表した。国防長官代行には国家テロ対策センターのクリストファー・ミラー所長が即日就任する。
複数の国防関係者によると、エスパー氏はトランプ大統領との関係が悪化していたことを受け、解任を見越して数週間前から辞表を準備していた。
エスパー氏はトランプ大統領に宛てた9日付の書簡で、「私は憲法を守って国に奉仕している。従って、私を交代させるというあなたの決定を受け入れる」と述べ、「私は、国防総省において我々が過去18カ月で多くのことを達成したと認識して退く」とした。
エスパー氏とトランプ大統領との対立は2019年から表面化していた。トランプ大統領は同年、ウクライナ大統領に対し、バイデン前副大統領の息子がかかわったとされる疑惑について捜査するよう圧力をかけ、対ウクライナ支援を凍結。エスパー氏などの高官はトランプ大統領に支援再開を求めていた。
今年6月には、黒人男性のジョージ・フロイドさんが警官に取り押さえられて死亡した事件をめぐり、全米に広がった大規模デモ鎮圧のために米軍を使うことは支持しないと記者会見で表明し、大統領との対立が一層深まった。
エスパー氏が解任されたことで、トランプ大統領と対立している別の国防幹部らも解任されるのではないかとの懸念が強まっている。
トランプ大統領や保守系の側近は、ここ数週間で米中央情報局(CIA)のジーナ・ハスペル長官に対するいら立ちを募らせていた。さらに、米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官にも批判の矛先を向けており、FBIでは数週間前からレイ長官が解任されるかもしれないとの見方が広がっているという。