政権移行チームとの協力、「できたほうが望ましい」 ファウチ所長
ワシントン(CNN) 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は15日、米政府の衛生当局が米大統領に選出されたバイデン氏の政権移行チームと協力できれば「その方がいい」と語り、新型コロナウイルスの感染状況が悪化する中、円滑な移行プロセスの重要性を強調した。
ファウチ所長はCNNの番組の中で、「私は36年間で6人の大統領の下で働いてきた。情報の円滑な引き継ぎにおいて、移行プロセスが真に重要なことは明らかだ」と語った。
現時点ではトランプ大統領が大統領選挙の結果受け入れを拒んでいるため、移行プロセスは正式にはスタートしておらず、米政権の新型コロナウイルス関連データやワクチン配布計画などに関する情報をバイデン氏の移行チームが入手することはできていない。
ファウチ所長はさらに、米国は2021年4月または7月までに「比較的正常な」状態に戻り始めることができるかもしれないとの見通しを示した。ただ、いつになれば大勢の人が集まっても安全な状況になるかどうかはさまざまな要因に左右されるとした。
米製薬大手ファイザーは、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、90%超の予防効果が認められたと発表している。ファウチ所長は、間もなくもう1社が初期の臨床試験結果を発表する見通しだと述べ、「それは素晴らしい。だが人々にワクチンを接種してもらう必要がある」と強調した。
その上で、「一方に有効なワクチンがあり、もう一方で高い確率でワクチンを接種してもらうことができれば、来年の第2四半期や第3四半期に入るころには比較的正常な状態に戻り始めることができ、数カ月前までは危険すぎてできないと思っていたこともできると思えるようになるかもしれない」と予想している。