カナダ首相、「集まりを控えて」と警告 クリスマスに向け危機感
(CNN) カナダで新型コロナウイルスの感染者が記録的な人数に達していることに対し、保健当局者らが危機感を募らせている。トルドー首相は「クリスマスがどうなるかはここ数日、数週間の私たちの行動にかかっている」と警告を発した。
同国では先月12日に、親族が集まって伝統的な食事を楽しむ「感謝祭」の祝日があった。この後で感染者や入院患者、死者が急増している。
トルドー氏は13日の記者会見で「接触を減らし、集まりを減らすことが最も重要だ」と強調した。
カナダ公衆衛生局を率いるタム博士は、感染拡大の多くが親族との集まりや誕生日パーティーなど、仲間内のくつろいだ場面で起きていると指摘。国民が本気で警戒しなければ、1日当たりの新規感染者は今後数週間で2倍以上に増える恐れがあると述べた。
特に人口が集中するオンタリオ州では、今すぐに新たな規制を導入したとしても、集中治療室(ICU)に収容される患者や介護施設での死者が増え続け、欧州のような危機的レベルに達する恐れが指摘されている。だが同州やアルバータ州などは、経済への影響を懸念して規制に慎重な立場を示してきた。
カナダの例は、26日に感謝祭を迎える米国にも懸念を引き起こしている。
ニューヨーク州はこのほど、家庭での集まりを屋内外とも10人までに制限すると発表。クオモ知事は声明で「酒類が提供される場」「スポーツジム」「屋内での集まり」が三大感染経路になっていると述べた。
これまでにイリノイ州シカゴやマサチューセッツ州も同様の制限を導入している。