アフガンとイラクの駐留米軍、更なる縮小へ 大統領が近く命令と司令官ら
(CNN) 米軍の司令官らは、トランプ大統領が週内にもアフガニスタンとイラクに駐留する米軍のさらなる撤退開始を正式に命じるとみている。米当局者2人が17日までに明らかにした。
国防総省は司令官らに通知を送り、アフガニスタン、イラク両国の駐留米軍の削減計画に着手するよう命じたとされる。計画では両国に駐留する米軍の規模を来年1月15日までにともに2500人にまで縮小する。現在、アフガニスタンとイラクにはそれぞれ約4500人、3000人の米軍が駐留している。
CNNは国防総省とホワイトハウスにコメントを求めたが、現時点で返答はない。
トランプ大統領は来年1月20日に大統領職を退く予定となっている。同大統領はアフガニスタンからの駐留米軍の完全撤退を主要な公約の1つに掲げていたが、上記の規模縮小が行われても公約の実現には遠く及ばない見通しだ。
トランプ氏は先月7日、アフガニスタンに駐留する軍要員をクリスマスまでに帰国させる意向を示唆するツイートを投稿している。
一方、今月初めに解任されたエスパー前国防長官は解任に先立ち、ホワイトハウスに極秘の書簡を提出。内容は米軍の指揮系統の統一見解として、現時点でアフガン駐留米軍の規模を縮小するべきではないと提言するものだった。
この中で、エスパー氏をはじめ、米中央軍のケネス・マッケンジー司令官やアフガニスタン駐留北大西洋条約機構(NATO)軍のオースティン・ミラー司令官らは米軍の撤退に必要な条件が整っていないと明言。情報筋がCNNに語ったところによると、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長などもこの見方に同意しているという。
トランプ大統領がエスパー氏の解任に踏み切ったのは、この書簡が理由の1つともみられている。