新型コロナが奪った25万の命 自動車事故死の10倍 米統計
(CNN) 米国内の新型コロナウイルスによる死者が、10カ月足らずで25万人を超えた。この数字は、脳卒中と自殺、自動車事故による年間の死者数の合計を上回る。
新型コロナウイルスの犠牲者の中には、数分間隔で息を引き取った高齢の父親と娘や、息子の5歳の誕生日を前に亡くなった両親もいた。症例数は極めて少ないものの、それまで健康に問題がなかった子どもが死亡した例もある。
専門家は、米国人がマスク着用に対してもっと真剣になり、他人との不注意な接触を避けなければ、この秋から冬にかけて死者は急増し続けるだろうと予測する。
米国での主な死因について、国勢調査の2018年までの5年間の統計をもとに、新型コロナウイルス感染症による死者の数と比較した。
自動車事故との比較
米国家運輸安全委員会(NTSB)によると、自動車事故による米国内の死者は年間の平均で2万4166人だった(自動車事故で死亡した運転手や同乗者を含む。自転車や歩行者など、自動車事故に巻き込まれた死者は除外)。
つまり、自動車事故による年間の死者の10倍以上が、10カ月足らずの間に新型コロナウイルスで命を落としていることになる。
インフルエンザとの比較
米疾病対策センター(CDC)によると、2014年~18年のインフルエンザによる死者は、1年間の平均で4万2200人だった。新型コロナウイルスによる死者は、10カ月足らずでその5倍を超えている。
新型コロナウイルスはインフルエンザより死亡率が高いだけでなく、感染力もはるかに強い。
自殺との比較
年間の自殺者と比較しても、新型コロナウイルスによる死者は5倍に上る。CDCの統計によると、2014年~18年にかけての自殺者は1年間の平均で4万5439人だった。
ニューヨーク大学の研究チームは、今年は新型コロナのストレスが原因で自殺する人が増えることを懸念している。