新型コロナワクチン、第1弾が全米50州に
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)が承認した新型コロナウイル向けワクチンの第1弾が全米50州とワシントン(コロンビア特別区)、米領プエルトリコに配送されたことがわかった。当局者が14日明らかにした。新型コロナウイルスが米国で初めて見つかってから1年未満でワクチンが配布されたことになる。
米政府の「ワープスピード作戦」によって、米製薬大手ファイザーのワクチンは1年未満で開発された。ワクチンの多くは開発に何年もかかることから、今回の出来事は驚異的な業績といえる。配送についても、物流大手のフェデックスとUPSが13日に開始し、初日の分はすべて配送を終えたという。
公衆衛生局のジェローム・アダムス長官はCNNの番組で、ワクチンの配布について、素晴らしいことだとの認識を示し、「きょう、我々は本当に希望を得た」と語った。
最初のワクチンは14日、新型コロナウイルスの流行の最前線で仕事にあたっている医療従事者に対して使われた。
大部分の米国人がワクチンを接種できるようになるには数カ月かかる見通し。
米国では毎日数千人が新型コロナウイルスによって死亡している。ジョンズ・ホプキンス大学によれば、14日午後、新型コロナウイルスによる米国での死者数が30万人を超えた。
新規感染の件数も死者数も過去にない割合で加速しており、米国の人々はワクチン接種の前に今冬を乗り切らなくてはならない。
国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、ワクチンの到着が新型コロナウイルスの流行の終わりだと考えないようにすべきだと警告している。
全米で今週配布のワクチンの数は約290万回分で、145万人のワクチン接種を始めるのに十分な量だ。
アザー厚生長官によれば、12月末までに2000万人がワクチンを接種でき、来年1月末までには最大5000万人がワクチン接種できるようになる。