妊娠中の女性、胎児にコロナうつす可能性低し 米医師会誌
(CNN) 米医師会誌「JAMA」は27日までに、妊娠中の女性が新型コロナウイルスを胎児にうつす可能性は低いとの研究結果を掲載した。
母親が持つ新型コロナに対する抗体がうつる可能性も考えていたより少ないとの見方も示した。今回の論文は米ハーバード大学医学部の研究者グループが執筆した。
今回の論文作成に当たっては、米マサチューセッツ州総合病院の母体胎児学を専門とする医師らがボストン市内の3病院に今年入院した妊娠中の女性127人から得たデータを活用。
このうち女性64人が陽性を示したものの、胎児には一切、同様の反応が検知されなかったという。調査対象の女性では呼吸器系の体液のなかで新型コロナウイルスが見つかったものの、血流や胎盤では発見出来なかったとした。
一部の母親は抗体を持っていたものの、臍帯血(さいたいけつ)で見つかった抗体の量は想定していたより少ないことを発見。ただ、研究者たちは胎児への感染リスクが生じる可能性も考えた。
特に注目したのは妊娠後期にあった女性たちで、一般的に胎盤にある抗体がうつる可能性が最も高い時期とみなしていることがその理由だった。
米国立小児保健発達研究所のダイアナ・ビアンキ所長は今回の研究結果について、妊娠後期において新型コロナが胎盤を通じて胎児にうつることはなさそうなことを一部確信させる材料になったと指摘。その上で、最終的な確認にはさらなる研究が必要ともつけ加えた。