民家全焼の火災、7歳男児が窓から飛び込み妹を救出 米テネシー州
(CNN) 米テネシー州で夜間に発生した住宅が全焼する火災。窓から飛び込んで部屋の中に取り残された幼い女の子を救出したのは、7歳の男の子だった。
火災はテネシー州ニューテイズウェルの民家で今月8日に発生した。両親は3人の子どもに夕食を食べさせ、午後8時半ごろ就寝させた。
その数時間後、母のニコール・デービッドソンさんは煙の臭いで目を覚ました。家はたちまち炎に包まれ、ベビーベッドで眠っていた1歳10カ月のエリンちゃんが寝室に取り残された。
両親は2歳の息子イライジャ君と、1年ほど前から養育していたイーライ君の2人を連れ出すことができたが、エリンちゃんの寝室は炎に阻まれて近づけなかった。
寝室に取り残された状況から救出されたエリンちゃん/WVLT
父のクリスさんはCNNの取材に対し、「外から娘の部屋の前に回ったが、窓には届かなかった。そこで私がイーライを持ち上げ、イーライが窓から入って娘をベッドから抱き上げた」と説明。「イーライのことを本当に誇りに思う。大人の男にさえできないことをやってくれた」と目を細める。
消防士20人が到着するころには、家全体が炎に包まれていた。翌日までに、家は跡形もなく焼失した。
イーライ君はCNNの取材に対し、「怖かったけれど、妹を死なせたくなかった」と話している。
デービッドソンさん夫妻はイーライ君を含む子ども34人を養育した経験があり、エリンちゃんとイライジャ君は養子として引き取った。ニコールさん、クリスさんとも元消防士だった。
2人は新型コロナウイルスのために仕事を失い、ニコールさんは祖母を亡くしていた。今回の火災で住む家もなくし、一からやり直すためにクラウドファンディングサイトを通じて寄付を募っている。