米南部爆発 「あらゆる可能性」念頭に動機を捜査、隣人に「有名になる」
(CNN) 米南部テネシー州ナッシュビルで停車中の車両が爆発した事件で、捜査当局は実行犯と特定されたアンソニー・クイン・ワーナー容疑者(63)の動機について、「あらゆる可能性」を調べている。
事件では25日早朝、ナッシュビル中心部でキャンピングカーが爆発。ワーナー容疑者はこの際に死亡した。爆発で少なくとも8人が負傷したほか、一帯に無線サービスを提供する通信大手AT&Tの施設など40棟以上の建物が損壊した。
隣人の1人はワーナー容疑者について「孤独な人物」だったと振り返った。別の隣人によると、容疑者は事件前、クリスマスには「もっと有名になる」と語っていたという。
事件現場の通りでは28日午後もがれきが散乱し、地元の商店主も立ち入りできない状況が続いた。建物のひとつは一部が倒壊し、ほこりの充満した空気に緊急警報のアラームが鳴り続けていた。
通りに面したタトゥー店を所有する男性は同日、CNNの取材に対し、自分では現場を訪れていないものの、写真から悲惨な状況がうかがえると説明。「これらの通りのことは知り尽くしている。私の人生そのものだ」と語り、変わり果てた街並みに胸を痛めていると吐露した。
爆発の前、車両からはコンピューター処理を施した女性の声が流れ、あと数分で爆弾が爆発すると警告して避難を促していた。同時に英歌手ペトゥラ・クラークの楽曲「恋のダウンタウン」も流れていたが、これは都会の喧噪(けんそう)には孤独な人の苦悩を癒やす力があると歌う内容だった。