米薬剤師、ワクチンを庫外に放置して逮捕 陰謀論の信奉認める
(CNN) 米ウィスコンシン州ミルウォーキー北郊の病院で先月、冷蔵庫に保管されていた新型コロナウイルスのワクチンを意図的に取り出したとして、薬剤師が逮捕された。警察によると、本人は調べに対し、ワクチンは有害だとする陰謀論の信奉者であることを認めた。
スティーブン・ブランデンバーグ容疑者(46)は12月31日に逮捕され、今月4日にオンライン形式の予備審問に臨んだ後、保釈された。
警察の調べによると、ブランデンバーグ容疑者は12月24日と25日の夜間、米モデルナ製のワクチン500回分以上が入った容器を冷蔵庫から取り出して放置した疑い。
薬局のスタッフが26日早朝にこれを見つけ、冷蔵庫に戻したとされる。
容疑者は調べに対し、「ワクチンは安全でなく、接種するとDNAが変化する」という説を信じていると話したという。
同病院では当初、ワクチンを常温で保存できる12時間を超えていないと判断して57人に接種したが、残りは使用していない。
警察はワクチンの効果が失われた可能性があるとして、同容疑者の行為は接種対象者の命を危険にさらした重罪に相当すると主張した。
これに対して地元検察は予備審問で、実際に有効性が下がったのかどうか、残ったワクチンをモデルナに返して調べる必要があると指摘した。まだ効果があると判明した場合は、未遂罪での起訴に切り替える可能性があるという。次回公判は19日に予定されている。
モデルナ製のワクチンは通常の冷蔵庫で30日間保存可能とされている。