トランプ氏、バノン元首席戦略官に恩赦 ホワイトハウス去る数時間前に
(CNN) トランプ米大統領が元側近で刑事事件の被告となっているスティーブ・バノン元首席戦略官を恩赦した。ホワイトハウスを離れる数時間前の決定だった。
情報筋によると、トランプ氏は十分な考慮の結果、バノン被告の恩赦を決めたと語った。
バノン被告は昨年8月、トランプ氏が公約した国境の壁建設の支援を目的とした資金集めの一環で、寄付者から100万ドル以上をだまし取ったとしてニューヨーク州連邦検事に刑事訴追されていた。
トランプ氏は任期切れ直前に恩赦や減刑を予定しており、側近らはバノン被告をリストに含めるか議論していた。トランプ氏とバノン被告は数年間不和の状態だったが、バノン被告が最近、トランプ氏が主張する大統領選の陰謀論の拡散を支援し、再び距離を縮めていた。
バノン被告は2018年に出版された暴露本で、トランプ氏の子どもたちを激しく非難したと伝えられている。ドナルド・トランプ・ジュニア氏についてはロシア人弁護士と会合を持ったことで「反逆的だ」と批判したほか、イバンカ・トランプ氏を「大馬鹿者」と呼んだとされている。これを受けトランプ氏はバノン被告が「理性を失った」「私や大統領職と何の関係もない」との声明を発表し、自身の周囲から遠ざけた。
だがここ数カ月は、バノン被告が選挙前に助言をしたり、選挙後は誤った陰謀論を広めたりして、トランプ氏の周囲に入り込もうとしていた。
情報筋によると、恩赦を認めるかの議論では、バノン被告が6日のトランプ支持者による連邦議会議事堂への乱入とつながりがある可能性について懸念が示されていた。
トランプ氏の上級顧問の1人は、トランプ氏はバノン被告とこの数週間連絡を取っていたと明かした。顧問の一部は先週末にバノン被告の恩赦からの除外が決まったと認識していたが、トランプ氏は19日夜にかけて検討を進め恩赦を決めた。