ブリンケン氏が米国務長官に就任 上院が指名承認
(CNN) 米上院は26日、バイデン大統領が国務長官に指名したアントニー・ブリンケン氏の人事案を78対22の賛成多数で承認した。
ブリンケン氏はバイデン氏の長年の側近で、同日、国務省で就任宣誓を行った。
同氏はツイッターで「私のキャリアは一周して元に戻ってきた。1993年に国務省でスタートし、そして今日、第71代国務長官として国務省の職員を導いていくことは生涯の栄誉だ」と述べた。
ブリンケン氏の承認で、バイデン大統領は国家安全保障チームの重要メンバーの多くをそろえることになる。上院の承認が不要なジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)のほか、20日の就任日にはヘインズ国家情報長官、22日にはオースティン国防長官の人事が承認されていた。
ブリンケン氏の承認は民主、共和両党から歓迎され、また外交関係者の職業組合からも祝福の言葉が届いた。
ブリンケン氏は今後、世界での米国の立場の回復と、前政権下で士気低下が目立つ同省の活性化という課題と向き合う。さらに「米国第一主義」から多国間協調主義や同盟関係に外交方針の軸足を移す取り組みでも最前線に立つことになる。
先週の上院で開かれた公聴会で、ブリンケン氏は重要な外交政策の懸念点について、議会との関係を深めると約束した。
イランへの対応については、バイデン政権はイランと核交渉をした方が世界はより安全になると考えていると述べる一方で、従来の核合意に復帰する計画については特段言及しなかった。
中国については、トランプ前大統領は中国により強硬な姿勢を示す点で正しかったとの認識を示した。「多くの分野で彼のやり方には同意出来ないが、この基本方針は正しく、実際に我々の外交方針の助けとなるだろう」と述べた。
省内の立て直しでは、安全保障と繁栄を強化するために、米国の才能と多様性を完全に代表する外交団を形成していくと約束。1つの国では直面する巨大な問題を解決できないという「謙そん」と、米国は他国を動かしてよりよい方向へと導いていく能力に最もたけているという「自信」が重要だと訴えた。