トランプ氏、弁護士の出来に不満あらわ　弾劾裁判

（ＣＮＮ） トランプ前大統領は９日、自身の弾劾（だんがい）裁判を担当するブルース・キャスター弁護士による審理冒頭の主張の出来に対して不満をあらわにした。トランプ氏の反応を確認した情報筋２人がＣＮＮに明らかにした。

キャスター氏は上院での弾劾裁判初日、下院の弾劾管理人（検察官に相当）の発表を「見事」と称賛するなど、まとまりを欠く主張を行った。

弁護団の主張の核心になかなか迫らないキャスター氏を見て、トランプ氏はほとんど絶叫せんばかりの状態だったという。弁護団は退任した大統領に対して弾劾裁判を行う合憲性を議論の中心に据えるとみられているが、チームとして集まってからわずか１週間余りである点を考慮すれば、キャスター氏のつまずきも予想通りだと、情報筋の１人はＣＮＮに述べた。

キャスター氏は内容が散漫な発表の中で、上院への賛辞を長々と口にしつつ、その上院が弾劾裁判を開くべきではないと主張した。そのうえで、１年１カ月の間に２度の弾劾裁判が行われている事実に言及。将来の弾劾の乱発につながると警告した。

一方で根拠のない大げさな主張を展開し、オバマ政権時代のエリック・ホルダー司法長官が弾劾される可能性があるとも述べた。

上院は弾劾裁判について採決を行い、５６対４４の賛成多数で合憲の判断を下した。

トランプ氏の弁護団の顧問１人は、支離滅裂な裁判初日の状況に対して困惑を表明。弾劾裁判で強力な弁護団を組織できないとなれば、刑事裁判で訴えられた場合、トランプ氏は極めて深刻な危険にさらされる恐れがあると指摘した。