米上院、ミゲル・カルドナ氏の教育長官指名を承認 元公立学校教師
ワシントン(CNN) 米上院は1日、元公立学校教師のミゲル・カルドナ氏を教育長官に指名する人事案を64対33の賛成多数で承認した。
カルドナ氏は新型コロナウイルス流行で閉鎖された学校での対面授業再開に向けて、安全に授業を行うための指針作りで各学区を支援する重要な任務を負う。一部の地域では再開に反対している教職員組合もある。
バイデン大統領は就任後100日以内の5月までに大半の学校を再開させると公約。議会に対して、新たに教育資金1700億ドル(約18兆円)の予算を認めるように求めている。
プエルトリコ出身の家族を持つカルドナ氏は、自身が育った東部コネティカット州メリデンで小学4年生の教師としてキャリアをスタート。その後すぐに校長になり、学区の教育長補佐へと華々しく昇進。2019年には同州の審議官になった。
前任の教育長官ベッツィ・デボス氏は指名時から物議を醸した人物で、上院での採決では可否同数となりペンス前副大統領の投票で指名が承認された。公立学校選択制と私立学校の強力な支持者で、公立学校の経験はほとんどなく、教職員組合との対立がめだった。
教職員組合はカルドナ氏を支持し、バイデン氏の学校再開の方針にも賛意を示している。ただ、100日間での再開については決まった日程ではなく、一つの目標として掲げるべきだと警鐘を鳴らしている。
カルドナ氏は先月行われた公聴会で、科学に基づいた再開の指針を打ち出すと約束。教師に対する新型コロナウイルス感染症の検査を増やしたり、優先的にワクチン接種を受けられるようにしたりするといった対応を含む戦略が必要との認識を示した。
教育省は今後、デボス前長官時代に打ち出された公民権政策や大学キャンパスでの性的暴行、営利大学に詐取された学生ローン債務者の保護などに関する当局の対応の一部を見直すとみられる。
カルドナ氏は学生ローン債務をより広範に免除すべきだとの進歩派からの圧力に既にさらされている。バイデン氏は債務者1人あたり1万ドルまでの免除は支持する意向だが、そうした動きは議会から起こすべきだとの考えだ。
一方、マサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員など一部の議員からは、教育長官が免除を実施できる権限があるとの指摘が出ている。