献血者の2割に新型コロナ抗体 米赤十字が調査
(CNN) 米赤十字が献血者に実施した新型コロナウイルスの抗体検査で、今月初めには対象者の20%以上が陽性反応を示したことが分かった。赤十字がCNNへのメールで、検査結果のデータを共有した。
赤十字は昨年6月中旬から今月上旬にかけ、米国内の44州で新型ウイルスワクチン未接種の献血者330万人を対象に抗体検査を実施した。
赤十字のデータによると、陽性率は全体の平均で約7.5%。7月第1週では約1.5%だったが、10月第1週には4%弱、1月第1週には約12%、今月第1週には21%近くまで増えていた。
陽性者は症状があったかどうかにかかわらず、過去に感染していた可能性が高いと考えられる。
米疾病対策センター(CDC)の顧問を長年務めるウィリアム・シャフナー博士はこの結果について、検査対象は献血者に限られ、一般人口から無作為に抽出したグループではないと指摘。そのうえで、米国民のうち相当数が自覚の有無にかかわらず感染歴を持つこと、一方で未感染者の割合が約8割にも上ることが推測できると述べた。
米国でこれまでに確認された感染者は2950万人と、人口の約9%にとどまるが、CDCは昨年末までに8300万人あまりが感染したと推定している。
新型ウイルスについて、感染歴のある人がどの程度の免疫を獲得し、それがどれくらいの期間維持されるのかは分かっていない。
米国立アレルギー感染研究所のファウチ所長は15日、ホワイトハウスでの会見で、集団免疫の獲得に必要な割合は人口の70~85%前後とみられるが、まだ正確には把握できていないと説明。ワクチンをできるだけ多くの人に、できるだけ早く接種することに集中するべきだと語った。