アジア系女性暴行事件、現場前でビルの扉を閉めたドアマン解雇 米NY
ニューヨーク(CNN) 米ニューヨーク・マンハッタンにある集合住宅のビルの前で65歳のアジア系女性が殴る蹴るの暴行を受けた事件に関連して、女性が暴行されている最中にビル入り口のドアを閉めたドアマンなど従業員2人が解雇された。このビルを所有するブロツキー・ オーガナイゼーションが6日に発表した。
事件は3月29日に発生し、同社がドアマンらの対応について調査を実施。「ロビーのビデオには、犯人が立ち去った後にドアマンらが出てきて被害者を助け、警察の車に合図して止める様子が映っていた。定められた緊急・安全手順が守られていなかったことは明らかだ」と判断した。
2人は調査が完了するまでの間、停職処分となっていたが、この集合住宅の住人はブロツキーに宛てた公開書簡の中で2人を擁護。防犯カメラの映像は誤解を招いていると述べ、2人が住人や地元住民、アジア系住民を裏切ったわけではないと訴えていた。
ニューヨーク市警によると、この事件では3月31日、ブランドン・エリオット容疑者(38)がヘイトクライム(憎悪犯罪)としての暴行容疑などで逮捕されている。被害者の女性は打撲や骨盤骨折などの重傷を負ってマンハッタンの病院で手当てを受けた。
アジア人やアジア系米国人に対する暴行事件は全米で相次いでいる。ニューヨーク市警によると、今年に入って報告されたアジア系に対するヘイトクライムは31件。前年同時期はゼロだった。
地元の組合によると、解雇されたのはドアマン1人とコンシェルジェ1人で、2人は解雇に対する不服申し立ての手続きを開始したという。