一部地域のホームレス全員の居住先確保を命令、米ロス裁判所
(CNN) 米連邦裁判所は24日までに、ロサンゼルス市のスキッドロー地区周辺で暮らすホームレスの全員に今年10月18日までに居住空間の供与を命じる判断を下した。
複数の市民、事業経営者や地域社会の指導者による昨年の訴訟を受けた判断。原告は市内におけるホームレス問題に関する危機的な状況に対する市側の無策を非難、陸橋下に立ち並ぶテントなどの現状に触れ、問題提起していた。
今回の判決を下した判事はホームレスの行き場所をなくした市や郡当局の行政上の怠慢を批判。市内のホームレスの問題の深刻さを再三認めながらも関係当局は汚職や透明性の欠如を露呈し続けたとも糾弾した。
行政の効率性を前面に出す統計などを打ち出しながらも、解決の説明責任には一切つながらなかったともとがめた。
判決は、同市のガルセッティ市長が次期会計年度で打ち出したホームレス対策を受けた格好ともなった。
市と郡は10月18日当日もしくはその前の180日間内にスキッドローの住民全体に対し居住先を与え、付き添いの相手がいない女性や子どもには90日以内の居場所の確保を命じられた。
ロサンゼルス市の担当当局の統計によると、ホームレスの人数は増加基調にあり、昨年は同市の拡大都市圏内で6万6000人以上が路上生活などを経験。過去1年内ではこの種の苦境に遭遇した郡内の住民の比率は12.7%増となった。
スキッドローの公共の街路は米国内で最多のホームレスが集まる場所とされる。