米議事堂襲撃の調査委員会、共和党が設置法案を阻止
(CNN) 米上院は28日、1月に発生した米議会議事堂襲撃を調査する独立委員会の設置法案について審議開始に向けた投票を行い、フィリバスター(議事妨害)の回避に必要な共和党10人の賛成が得られなかった。事件から前進したい共和党の姿勢が浮き彫りになった。
1月6日の事件では5人が死亡、警官140人が負傷した。
投票結果は賛成54、反対35。民主党議員に加え共和党から6人が賛成に回り、法案に過半数の支持が集まっていることが示されたが、前進に必要な賛成60票には届かなかった。
法案を支持した共和党議員6人はミット・ロムニー、スーザン・コリンズ、ビル・カシディー、ロブ・ポートマン、リサ・マコウスキー、ベン・サスの各氏だった。共和党の9人と民主党の2人が票を投じなかった。
共和党の反対は、トランプ前大統領の根強い党内への影響力を物語っている。また、議事堂襲撃事件をめぐる民主、共和両党間の深い溝も浮き彫りになった。
投票後、上院民主党トップのシューマー院内総務はこの点に触れ、野党の共和党が「1月6日の事件について報告する独立委員会に反対して、党派的なフィリバスターを仕掛けてきた」と指摘。「今回の投票で、ドナルド・トランプの『大うそ』が共和党を完全に覆っていることが正式に示された」と述べた。
2月に行われたトランプ氏の2度目の弾劾(だんがい)裁判では共和党の上院議員7人が賛成に回っており、今回の共和党の賛成はそれを1人下回った。
シューマー氏は28日、「事実が解明されなければならない」として、民主党は議事堂襲撃を調査する特別委員会の設置に動くべきだとの考えを示した。