米国務省のエレベーターに「かぎ十字」、ブリンケン国務長官が反ユダヤ主義非難
ワシントン(CNN) 米国務省のエレベーターにユダヤ人を迫害したナチス ・ドイツのシンボル「かぎ十字」が彫られているのが26日に見つかった。ブリンケン国務長官は憎悪に根差した行為だとしてこれを非難。反ユダヤ主義が依然として存在する実態を思い起こさせるものだとの認識を示した。
ブリンケン氏は国務省の全職員に向けた文書の中で「反ユダヤ主義は過去の遺物ではない」「忌まわしいその思想に、米国内での居場所はない。国務省だろうと他のどこだろうと存在してはならない。我々は容赦せずに立ち上がり、これを拒絶する必要がある」と述べた。
この件はニュースサイトのアクシオスが最初に報じた。CNNは上記のメモの内容を確認した。
かぎ十字はナチスの旗などに描かれ、反ユダヤ主義と同義だとされる。ブリンケン氏によると、エレベーターに彫られたものはすでに除去されており、今後省内の法執行機関がこの件の調査に当たるという。
ブリンケン氏はユダヤ人の伝統の中で育ったことで知られる。義父がナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)を生き延び、米軍兵士に救出されたことを省内のユダヤ人職員らに直接伝えてもいる。
同氏は、歴史が示すところとして、反ユダヤ主義がしばしば人種差別や性差別、同性愛嫌悪といった他の憎悪と結びつくと指摘。そうしたいかなる思想も、米国や国務省の風土になってはならないと強調した。