新たなコロナ起源調査に結論出ず、要約発表 米情報機関
(CNN) 米情報機関を束ねる国家情報長官室は27日、バイデン大統領の指示を受け約90日間続いていた新型コロナウイルスの起源を探る新たな調査結果の要約を公表し、明確な結論は出なかったと報告した。
中国の武漢ウイルス研究所からの流出説と、動物を介した人間への感染説とで見解が依然割れたと述べた。この2説はいずれもあり得るというのが各情報機関の総意ともした。
バイデン氏は要約の公開後、声明を発表し、ウイルスの発生源を突き止める作業は今回の報告書で終わらないと強調。同時に起源調査に関して感染拡大の初期段階の情報提供などに消極的な中国の姿勢を批判した。
米情報機関はより決定的な結論を得るには中国の協力が必要と主張。感染初期における臨床試料や疫学上のデータなどが不足しているともした。
ただ、新型コロナは生物兵器として開発されたものではないと判断。また、大半の情報機関は、遺伝子操作の副産物だった可能性は少ないとの見方も示したという。
要約によると、五つの情報機関は動物媒介説の可能性があると分析。一つの情報機関は実験、動物の扱いや検体の処理などが原因で研究所から流出した可能性を重視したという。
三つの情報機関はさらなる情報なしでは結論にたどり着けないとの立場を保った。今回の調査結果の機密扱い部分も含めた説明を受けたとする関係筋によると、明確な見解を打ち出さなかった情報機関には中央情報局(CIA)も含まれるという。
要約は、新型コロナウイルスは遅くても2019年11月に最初は小規模な形態で人間に感染したとの可能性に言及。最初の感染爆発が起きる前、中国当局者はウイルスを予知する情報を保持していなかったとも指摘した。