スーザン・アンソニー博物館で不審火、裏口ポーチを焼失 米NY州
(CNN) 米ニューヨーク州ロチェスターで26日、女性参政権運動のリーダー、スーザン・アンソニーの元住居に開設された博物館の裏口ポーチを焼く火事があった。当局は不審火として調べている。
消防当局の報道官によると、同日午前1時ごろに自動火災報知器が作動し、消防隊が出動した。
博物館のデボラ・ヒューズ館長によると、現場の防犯カメラの映像には、出火直前に家の裏庭と裏口ポーチに立つ人物の姿が映っている。ヒューズ氏は「だれがこんなことをしたのか」「女性の権利を主張する博物館だという理由で狙われた可能性もある」と話した。
同報道官によれば、消防士らは展示品を家の中の安全な場所へ丁寧に移し、炎や煙、水が家の中に入り込まないよう細心の注意を払って消火作業を進めた。裏口ポーチは焼失したものの、室内はほぼ無傷だったという。
火事が起こる前の博物館の外観/Randy Duchaine/Alamy
ヒューズ氏は、できるだけ早く裏口ポーチの再建工事を始めると述べた。
この家は1859年に建設され、女性参政権運動の拠点となった。スーザンは1866年から没年の1906年までここに住んだ。女性の参加が禁止されていた1872年の大統領選に投票して逮捕され、奴隷制の廃止も主張した。本人が亡くなった後の1920年に、女性参政権を認める憲法修正第19条、通称「スーザン・アンソニー修正」が成立した。