80代男性が狂犬病で死亡、コウモリから感染 米中西部
(CNN) 米イリノイ州北東部に住む男性が自宅でコウモリと接触し、約1カ月後に狂犬病で死亡した。同州で狂犬病による死者が報告されたのは、1954年以来初めて。
州保健当局が28日に発表したところによると、男性は先月、自宅で目覚めた時にコウモリが首に止まっていることに気付いた。このコウモリは狂犬病の検査で陽性反応を示したが、男性は発症を防ぐ治療を拒否した。
約1カ月後に首の痛みや頭痛、指のしびれ、両腕の動きや発話の異常などの症状が出て死亡。米疾病対策センター(CDC)が28日、狂犬病の診断を確認した。男性の自宅ではコウモリの巣が発見された。
狂犬病は感染した動物のだ液や脳神経組織に直接触れることによって人間にうつる。州保健当局の責任者は「どんな病気よりも致死率が高い」としたうえで、接触後すぐに発症を防ぐ治療を施せば命を救うことができると強調した。
米国内で1938~2018年に発生した狂犬病の動向を調べた研究によると、かつては犬にかまれて感染する例が大半を占めていたが、ペットの予防接種が義務化されたことなどを受け、60年代以降はコウモリをはじめとする野生生物が主な感染源となった。40年代に30~50人だった年間の死者は、1~3人まで減少している。
CDCは今年6月、狂犬病の感染リスクが高いとされる100カ国あまりからの犬の持ち込みを一時的に停止すると発表した。