男性でも女性でもない「性別X」のパスポート、米国務省が初発行
(CNN) 米国務省は27日、男性でも女性でもない「性別X」のパスポート(旅券)を初めて発行したと発表した。
国務省は今年6月に手続きを改訂し、パスポートに記載する性別を申請者が自分で選べるようにすると発表。申請者が選択した性別が、他の身分証明書に記載された性別と異なる場合でも、診断書の提出は求めないとした。
パスポートの性別Xは、自分の性別が男性にも女性にも当てはまらないと認識する人などが選択できる。国務省は声明の中で、「LGBTQI+の人を含め、全ての人の自由と尊厳、平等を推進する」と強調した。
2022年初めにシステムと様式の更新が完了すれば、通常のパスポート申請手続きで性別Xが選択できるようになる。
トランスジェンダーの人権活動家は以前から、不正確な身分証明書はLGBTQに対する嫌がらせや差別につながる可能性があると訴えていた。
国務省は26日の「インターセックス啓発デー」に合わせ、「性別や性的指向、性別自認や表現、性的特徴に基づく暴力と差別」を終わらせるのが、米国の政策だと述べていた。
同様のジェンダーインクルーシブパスポートは、カナダやオーストラリア、ニュージーランドでも発行されている。
米国では少なくとも20州と首都ワシントンが、州発行の身分証明書などで同様の変更を行っている。