男をヘイトクライム殺人で訴追、暴行されたアジア系移民が死亡 米NY市

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死亡したヤオ・パン・マーさん(61)の遺影/Andrew Lichtenstein/Corbis News/Getty Images/FILE

死亡したヤオ・パン・マーさん(61)の遺影/Andrew Lichtenstein/Corbis News/Getty Images/FILE

(CNN) 米ニューヨークのマンハッタン地区検察は10日、市内で昨年中国系移民の男性を暴行したとして逮捕された男を、ヘイトクライム(憎悪犯罪)事件として殺人罪で訴追したと発表した。

起訴されたのはジャロッド・パウエル被告。警察によると、2021年4月、イーストハーレムで空き缶を集めていたヤオ・パン・マーさん(61)に背後から近づいて、頭部を何度も殴ったり蹴ったりしたとされる。マーさんはこの時のけがが原因で8カ月後に死亡した。

事件が起きたのは、全米でアジア系住民に対する暴行が急増していた時期だった。検察は「ジャロッド・パウエル被告がマーさんを選んで襲ったのは、人種以外に何の理由もなかった」と断定した。

パウエル被告は事件後間もなく逮捕された。調べに対し、「マーさんを襲った前日に、韓国人か日本人の男2人に」襲われたと主張したが、この被害について届け出ることはなく、自分が受けたと主張する暴行についてそれ以上の説明もしなかったという。

ニューヨーク市警が21年に確認した市内のヘイトクライム事件は524件に上り、20年に比べてほぼ倍増。市警の記録によれば、少なくとも過去5年で最も多かった。

ニューヨーク市警によれば、ヘイト犯罪はユダヤ系に対する偏見が動機になることが最も多い。しかし20年~21年にかけてはアジア系に対する偏見が動機になったヘイト犯罪が最も大きく増加した。

全米で過去2年の間に暴言や暴行の被害に遭ったアジア系住民は数千人に上る。カリフォルニア州サンフランシスコ警察の先月の報告によると、21年に市内で起きたアジア系に対するヘイトクライムは567%増加した。

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