米国人の平均寿命、さらに短く コロナ禍で大幅な縮小続く
(CNN) 米国人の平均寿命が縮小し続けている。7日に発表された論文によると、2021年の平均寿命は、第2次世界大戦以来最も大きく縮小した前年に続き大きく減少した。
この論文は医学論文サイトのmedRxivに掲載された。それによると、米国人の平均寿命は2020年の約1.9年縮小に続き、21年はさらに0.4年縮小した。
米疾病対策センター(CDC)の統計によれば、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前は、平均余命の変動幅は平均で年間0.1年に満たなかった。
コロナ禍で平均余命が縮小したことで、米国と他の高所得国との差はさらに拡大した。他の19カ国の20年の平均寿命は平均で0.6年の縮小にとどまり、21年は平均約0.3年の上昇に転じた。
米国人の平均寿命は19年の78.9歳から21年には76.6歳に縮小。他の先進国の平均に比べて5歳以上短くなった。
論文を発表した米バージニア・コモンウェルス大学のスティーブン・ウルフ氏は、米国の新型コロナへの対応を理由に挙げ、米国民はワクチン接種やマスク着用といった感染防止対策に対する抵抗感が強いと指摘した。
人種別にみると、20年の平均寿命の縮小は黒人やヒスパニック系に偏る傾向があった。しかし21年は白人の縮小が最も大きく、ヒスパニック系は横ばい、黒人はわずかに上昇した。
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本記事を当初「米国人の平均寿命、さらに短く コロナ禍で第2次大戦以来の縮小」のタイトルで公開しましたが、「米国人の平均寿命、さらに短く コロナ禍で大幅な縮小続く」に訂正しました。また第1段落の「2021年の平均寿命は、前年比で第2次世界大戦以来、最も大きく縮小した。」の部分を「2021年の平均寿命は、第2次世界大戦以来最も大きく縮小した前年に続き大きく減少した。」に訂正しました。