米FDA、J&J製コロナワクチンに厳格な制限 まれに血栓症のリスク
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は5日、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の新型コロナウイルスワクチンについて、まれに生じる血栓症の副反応リスクを理由に緊急使用許可(EUA)を制限すると発表した。
発表によると、J&J製ワクチンの使用を認めるのは、18歳以上で他のワクチンの使用が不適切あるいは不可能な人、およびJ&Jでなければワクチンを接種しないという人に限られる。
その理由について、J&Jのワクチン接種後に生じるまれな副反応として、「血小板減少を伴う血栓症候群(TTS)」と呼ばれる危険な血栓症のリスクがあると指摘した。
FDAは、J&J製ワクチン接種後のTTS発症状況を観察し、その情報に基づいて緊急使用許可を改訂したと説明。CNNの取材に対し、改訂後の条件はブースター(追加)接種にも当てはまることを確認した。
その上で、ファイザーやモデルナなどのmRNAワクチンに対して重度のアレルギー反応が出たことのある人や、mRNAワクチンに対する不安を理由にJ&J以外のワクチンは接種したくないという人などについては、J&J製ワクチンにもリスクを上回るメリットがあるとした。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国では1870万回以上のJ&Jワクチンが接種されており、ワクチン接種完了とみなされた人のうち7.7%がJ&Jを接種した。
FDAによると、TTS発症者の死亡率は15%。3月18日までに確認されたTTSの症例は60例で、うち9例が死亡している。
TTSの発症リスクは、全体では接種100万回につき約3例だった。TTSの発症率が最も高いのは30~49歳の女性で、この年齢層の女性は100万回につき約8例が発症している。