熱中症で死亡した生徒の遺族に和解金13億円、コーチは殺人罪で起訴 米ジョージア州
(CNN) 学校のバスケットボールの練習後に熱中症で死亡した米ジョージア州の女子生徒の遺族が教育委員会を訴えていた裁判で、教育委員会側が1000万ドル(約13億円)を支払う内容の和解が成立した。遺族側の弁護団が11月29日に発表した。女子生徒の死をめぐっては、指導者2人が殺人などの罪で起訴されている。
当時16歳だったイマニ・ベルさんは2019年に死亡し、遺族が昨年、民事訴訟を起こしていた。弁護団によると、同州ジョーンズボロのクレイトン郡教育委員会が和解金を支払い、この裁判を決着させる。
和解金の一部は、学生アスリートなどの支援を目的として遺族が昨年設立した「キープ・イマニ財団」に寄付される。
遺族側は裁判の中で、コーチや監督者が熱中症予防の安全対策を怠ったと訴えていた。和解合意には、過失を認める内容は盛り込まれていない。
ジョージア州捜査局の調べによると、イマニさんは19年8月13日、必修とされている屋外練習に参加。この日の気温は33~36度前後で、イマニさんは競技場の階段で走った後に倒れた。検視報告書によれば、死因は「周辺気温が高い中で運動中の異常高熱および横紋筋融解症」だった。既往症は見つからなかった。
クレイトン郡大陪審は21年夏、イマニさんのコーチとアシスタントの2人について、「悪意を問わず、イマニさんを死亡させた」として殺人の罪で起訴。2人はさらに、子ども虐待、過失致死、無謀行為の罪にも問われている。
2人はいずれも無罪を主張しており、昨年、保釈金を払って保釈された。公判の期日は不明だが、起訴の取り消しを申し立てており、12月22日と来年2月22日にクレイトン郡高裁で審理が予定されている。