パンナム機爆破事件、米連邦地裁に容疑者が初出廷
ワシントン(CNN) 1988年12月に起きたパンナム航空機爆破事件に関与したとされるリビア人の男が12日、コロンビア特別区の米連邦地裁に初出廷した。爆弾製造にかかわったとみられることから、裁判所は上記のテロ攻撃とつながりがあったとして男を正式に訴追した。
パンナム航空103便は英ロンドンから米ニューヨークへ向かう途中、スコットランドのロッカビー上空で爆破され、乗客乗員ら270人が死亡した。
地裁判事はアブアギラ・マスウド被告に対し、3つの罪状で訴追されたことを告げた。被告は裁判手続きの前に弁護士と協議する必要があるとして、罪状認否を行わなかった。
被告に対する公判前の尋問は今月27日に予定されており、この日までに弁護士との協議を行う見通し。
罪状のうち「死亡につながる航空機の破壊」は死刑や終身刑に該当するが、連邦検察は死刑を求刑する計画はないと説明。罪を犯した年の時点では憲法上死刑を適用することができなかったためだとしている。
白いひげをたくわえ、囚人用のつなぎに身を包んだマスウド被告はほとんど足を引きずるようにして被告席に着くと、ヘッドホン越しに通訳の言葉を聞いた。発言はほぼなかったものの通訳を介して判事に対し、インフルエンザにかかっており治療を受けたと告げた。