フェンタニル450万錠を押収、麻薬カルテル摘発 米アリゾナ州
(CNN) 米麻薬取締局(DEA)によると、アリゾナ州当局はこのほど、麻薬カルテル「シナロア」の摘発作戦で、医療用麻薬フェンタニル450万錠を含む大量の違法薬物を押収した。
DEAが先週、現地の警察、州司法長官との合同記者会見で発表した。
過去3年間に及ぶシナロアの捜査では、計150人が訴追されている。
作戦で回収されたフェンタニルの錠剤は、致死量3000万回分あまりに相当する。このほか粉末のフェンタニル約64キロ、コカイン135キロあまり、メタンフェタミン(覚醒剤)1360キロあまり、ヘロイン35キロ、銃器49丁と現金200万ドル(約2.7億円)あまりが押収された。会見会場には押収品の一部が並べられていた。
この作戦で多数の関係者が拘束されたが、捜査継続中のため、当面名前を公表する予定はないという。
DEAの主任特別捜査官は会見で、州内に出回っている薬物の主な供給源はシナロアだと指摘し、同組織の撲滅を目指すと改めて表明した。
フェンタニルはモルヒネの50~100倍の強さを持つオピオイド鎮痛薬だが、米国内で報告される薬物の過剰摂取で最も多く使われている。
米疾病対策センター(CDC)によると、フェンタニルをはじめとする合成オピオイドによる2021年の死亡例は、前年より22%増加した。22年にオピオイドを過剰に摂取したが死に至らなかった例は、18万1806件に上った。