米国のデフォルト迫ると再度警告 イエレン財務長官
(CNN) 米国のイエレン財務長官は22日、連邦議会に対し、米国がデフォルト(債務不履行)に陥る前に債務上限問題に対処できる時間はわずかしか残されていないと改めて警告した。
イエレン氏はマッカーシー下院議長に宛てた書簡で、財務省は最短で6月1日に完全かつ予定通りに債務を支払うことができなくなる「可能性が非常に高い」と述べた。
書簡には「現在手元にある新たな1週間分の情報を踏まえると、もし議会が6月上旬、最短で6月1日までに債務上限の引き上げまたは停止のための行動をとらない場合、財務省が政府債務の全てを履行することはもはやできなくなる可能性が非常に高いと伝える」とある。
ホワイトハウスと下院共和党はデフォルトに陥る「Xデー」が来る前に合意にこぎ着けようと協議を続けている。
バイデン大統領と同日面会予定だったマッカーシー議長は、いい議論は行われたものの「何も合意されていない」と述べた。特に争点となっているのは歳出削減の大きさで、マッカーシー氏は下院が債務上限の法案を通過させるには、削減パッケージも今週同時に進める必要があるとの認識を示している。
イエレン氏はデフォルトに陥れば米国史上初の事案となり、世界経済の後退や金融の混乱を引き起こし、連邦政府の支払いに頼る年金受給者や政府職員など数百万人の米国人に影響を与える可能性があると警告する。
アナリストの一部からは6月上旬にXデーを迎える可能性があるものの、1日とは限らないとの見方も出ている。
もし財務省が6月中旬まで支払いを継続できた場合は、夏の終わりまでデフォルトが遠のく可能性が高い。6月15日は第2四半期の予定納税の期限となっていて、月末には1450億ドル(約20兆円)の「緊急措置」も可能となる。