米司法省、トランプ氏の免責特権認めず 元コラムニストによる訴訟

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ドナルド・トランプ前大統領と元雑誌コラムニストのジーン・キャロル氏/Getty Images

ドナルド・トランプ前大統領と元雑誌コラムニストのジーン・キャロル氏/Getty Images

(CNN) 米司法省は、トランプ前米大統領から性的暴行を受けたとして元雑誌コラムニスト、ジーン・キャロル氏が訴えた民事訴訟について、従来の立場を覆し、トランプ氏に免責特権は適用されないとの認識を表明した。これにより、来年1月に裁判が開かれる見通しとなった。

司法省が立場を変えたことで、キャロル氏が2019年に起こした名誉毀損(きそん)訴訟を巡る障害が一つ取り除かれる。訴訟によるとトランプ氏は、大統領任期中の声明でキャロル氏を何十年も前に強姦(ごうかん)したとの疑惑を否定した。声明はキャロル氏のことを知らないとした上で、自身の「好みのタイプ」でもないとする内容だったとされる。

司法省の弁護士は、トランプ氏とキャロル氏双方の弁護士に宛てた書簡で同省の判断を説明。トランプ氏による性的暴行の否定発言などについて、大統領という職務の範囲内で取った行動だと結論するに足る適正な証拠がないとの見方を示唆した。

これまで司法省はトランプ、バイデン両政権を通じ、キャロル氏の主張を否定したトランプ氏の19年の発言は大統領という職務の範囲内での行動だと明言していた。この場合、訴訟は実質的に退けられる公算が大きくなる。

ただ今年5月にニューヨーク連邦地裁の陪審が別の訴訟でキャロル氏に対するトランプ氏の性的虐待と名誉毀損を認めた判断などを受け、司法省は自分たちの立場を変えたと説明した。トランプ氏は同連邦地裁の判断を不服として争う構えを見せている。

司法省の弁護士らは、上記の訴訟におけるトランプ氏の宣誓供述書や昨年10月の同氏の声明を考慮に入れたと明らかにした。改めて疑惑を否定する内容の後者の声明は、大統領退任から長い年月を経て出されたもの。これらの検証作業を通じ、同省はトランプ氏の最初の否定発言について、大統領として米政府への役割を果たすとの動機に基づくものではないとの兆候を確認したという。

トランプ氏の弁護士からは現時点でコメントを得られていない。

キャロル氏の弁護士は、司法省が立場を再検討したことに感謝を表明。19年のトランプ氏の声明は個人的な敵意によるものであって、米大統領として発したものではないことを常に確信していたと述べた。

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